こうへいの音楽夜話 第6話 − 2つのノルウェーの旋律より 民謡風に − 夜の停車駅
(1997年2月19日掲載)
童話ってどう思いますか。昨年は宮沢賢治がちょっとした話題になりましたが。
童話は子供だけのものではありません。もしかすると大人の方が切実に童話を欲しくなる時があるのでは。
今日ご紹介するのはそんな大人のためのお話です。
1980年代初のこと、生まれてなかった方っています?
大好きだった番組があります。夜の停車駅というNHK FMの番組です。
機関車の効果音、そしてテーマ音楽
ナレーション(以下『』内引用です、copyrightはNHKでしょう)
『夜の停車駅
お忘れですか、あなたがここに立ち寄った時のことを
白い蒸気を残して列車が去ってしまうと、そのあとには誰もいないプラットホーム
古風な時計がいつもと違う時を刻んでいます
そう、確かにここに降り立った記憶があるはずです
しっとりとした闇にくるまれた夜の停車駅に』
江守徹さんの落ち着いた語りで、大人のための童話を話してくれます。
そして、語りの合間に、話の雰囲気にぴったりの音楽が入ります。
クラシック、ポップス、ジャズ、現代曲何でもありですが、実によく話に合っており構成のすばらしさに涙しそうでした。
今でも再放送されないかと思ってます。
最初に偶然聴いたのは、金色に輝くススキの野原に恋人同士が人魚の姿で寄り添うエンディングだったと思うのですが。
なにせ偶然なので録音の準備もしておらず、どんな話でどんな曲がかかっていたのか思い出せません。
ただ、いたく感激してしまい、それから毎週録音することになります。
何度もすばらしい話がありましたし、多くの大好きになった曲に初めて出会いました。
もう上げるときりがないくらいです。
タイトルになった曲は、「けやき」という物語の中の曲です。放送は1982(昭和57)年3月28日、
なんと15年前ですね。
少年が、大きなケヤキの木に呼びかけられるままに、木を描こうとするのですが1本の線も引けません。
1年間ケヤキを見つめ続けた嵐の日、雷に打たれてケヤキは真っ二つになります。
少年は雨の中ケヤキを見つめて立ちつくします。
そして少年は部屋に帰り、ケヤキを見つめてきた1年間を振り返ります。
こみ上げる様々な思い。そしてついに壁に貼られた画用紙に力強い1本の線が引かれました。
この曲がかかるのは、その時なのです。
この曲、一度聴いただけで気に入ってしまい、一生懸命探したのですが見つからない。
LPは廃盤、やっと輸入盤のCDを見つけたのは1988年の夏でした。
見つけた時は本当にうれしかったですね。
この放送でかかった曲は次の通りです。
- レスピーギ/リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲よりイタリアーナ/小沢征爾指揮ボストン響
- ショパン/練習曲第1番ハ長調Op10の1/マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
- グリーグ/組曲ホルベアの時代よりアリア/テリエ・テネセン指揮ノルウェー室内管
- グリーグ/2つのノルウェーの旋律より 民謡風に/テリエ・テネセン指揮ノルウェー室内管
- ショパン/夜想曲第5番嬰へ長調Op15の2/サンソン・フランソワ(ピアノ)
- 北原白秋詩/落葉松(からまつ)/江守徹(朗読)
EDVARD GRIEG The Complete Music for String Orchestra BIS CD-147
E.グリーグ曲 2つのノルウェーの旋律より 民謡風に
テリエ・テネセン指揮 ノルウェー室内管
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