こうへいの音楽夜話 第15話

最後のトレモロ−ギターの吟遊詩人

(1998年7月5日掲載)

フランスのワールドカップサッカーすごいですね。
それでなくても忙しいのについ見てしまいます。おかげで寝不足が深刻・・・。
とにかく選手が魅力的です。初めて見る選手が多いのについ好きになってしまいます。
そんな一人、チラベルトというGK、拾いに拾いまくっていましたね。

で、ほとんどこじつけなのですが、今日は大好きなギター曲をご紹介します。
どこがこじつけかというと、この作曲者がチラベルトの祖国、パラグァイの人だからです。

アウグスティン・バリオスは、1885年にパラグァイに生まれ、幼い頃からギターを弾き、20才ころからギター奏者として活躍し始めたそうです。
そして、もうこのころから自作の曲を演奏し始めています。
その後、ブラジルを初めとして、南米そしてヨーロッパの各地を転々とし、59才でエルサルバドルで亡くなっています。

タイトルでご紹介した曲は、亡くなる前の最後の曲で、彼が晩年を過ごした街の物乞いの老婆の決まり文句
「神様のご愛情にめんじてどうかお恵みを−Una limosna por el amor de Dios」
にヒントを得たものといわれています。
やさしくも悲しい白鳥の歌です。
ギターのトレモロ曲としては、かの有名な「アルハンブラの想い出」がありますが、マイナー贔屓?のこうへいとしては、こちらのほうが好きです。

あと、「大聖堂」というのもいいですね。こちらのほうはもう少し有名な曲です。
そうはいっても、ギター弾きかギター好きでないと知らないんでしょうね。

バリオスの曲は、ギターの特徴を素直に活かしたもので、そのためにギターのショパンとも言われています。
これもいい表現だと思いますが、私は、その詩的な印象から、ギターの吟遊詩人というイメージのほうがいいですね。

偉そうに書いてますが、現役のギター弾きの頃は、バリオスは全く知らなかったのです。
引退して社会人になってから、ジョン・ウィリアムスに凝った時期があり、その時買った「大聖堂−バリオス名曲集」のLPが初めての出会いです。