こうへいの音楽夜話 第16話

禁じられた遊び −団塊の世代が再び歌う時−

(1998年9月23日掲載)


9月初めの新聞で、ピアノ教室へ通う大人、それも40〜50歳台の男性が増えてきたという記事を読みました。
若い頃、誰もがというほど「禁じられた遊び」を弾いていた団塊の世代が、ギターをピアノに持ち替えたとも書いてありました。

ピアノに持ち替えるまでの長いブランクの間、団塊の世代たちは、日本の国や企業と一緒に、ひたすらに走り続けて来たのかも知れません。
そして、日本そのものが、ふと立ち止まったように見える今、やはり立ち止まった彼らは、意外に近いところに自分たちの曲がり角があることに気づいたのです。
その時、永い間忘れていた歌を思い出したのでしょうか。
そんな彼らの目の前にあったのが、子供のために買ったピアノだったのです。
いつの間にかなくしてしまったギターから、このピアノに持ち替えて、彼らは再び歌いはじめました。

歌いはじめた彼らの前にある曲がり角は、決して終点などではありません。
それは、やはり永い間忘れていた「卒業」なのでしょう。

団塊の世代とは幾つも違わないのですが、こうへいのギターは机の横でおとなしくしています。

ご紹介するのは、団塊の本場もの?の禁じられた遊びです。
厳格なギター弾きの方は「甘ったるい」とおっしゃりそうですが、「歌う」という語感にはぴったりの演奏です。

あれ?LPがない。持ってなかったっけ。
ご紹介したかったのは、ナルシソ・イエペスの演奏によるものなのですが、それどころか禁じられた遊びが1枚もありません。
ウーン、もしかするとこうへいも昔は厳格なギター弾きのつもりだったのかなぁ。
そんなはずないんだけど。


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