こうへいの音楽夜話 第18話
調和の幻想と紅い薔薇 −音楽と音質あれこれ−
(1999年4月25日掲載)
今夜は、珍しく音質とか録音とかのお話です。
1998年暮れのこと、水野朋子さんという作曲家が、「現代音楽」をキーワードにこのページにお立寄りになり、こうへいあてメールをいただきました。
それからしばらくのあいだ、メールでの音楽談義で盛り上がったのですが、その中からのお話です。
水野さんのお耳にとまったのが、ここの第14話や本館の方で流しているネットワークロマンスの音質です。
この音源は何でしょうかというご質問をいただいたのですが、ネットワークロマンスは、作曲していただいた方のデジタルピアノで演奏されたものです。
このデジタルピアノは、本体で直接MIDIファイル化できるということで、作曲者の意図がよりストレートに音になるのでしょう。
それが、水野さんの興味をひいたのだと思います。
水野さんは、自作の曲をできるだけ良い音質で提供されることに腐心されておられます。
特に、ヴァイオリンの音が録音では出ないとおっしゃっていたのですが、その時思い出したのが、ご紹介した調和の幻想のLPレコードです。
このLPの冒頭の弦の音は大変に印象的です。お聞かせできないのが残念です。
最近は、あまりこの種のCDを聴いていないのですが、発売された頃のアナログ音源のCDで、このLPの弦の音を超えたものは無いように思います。
これが、CD発売当初によく言われたとおり、CD規格を決める際に、可聴帯域外の音域を切り捨てたためなのかどうかは私にはわかりません。
ただ、最良のアナログ録音を、これまた良質でかつ録音された楽器にあった再生装置で聴いた時の音質は、CDではかなわないのではないかと今でも思っています。
とはいえ、アナログでないとだめだのどと言うつもりは毛頭ありません。時代は変わっているのです。
大変なお金をかけて再生装置を揃えなくても十分音楽として楽しめるのが、CDになってからの良さですね。
音楽そのものは、音質がどうあれ伝わるものは伝わります。
でも、この「紅い薔薇」のCDを水野さんから手に入れて聴いた時、できるなら音もいい方がとやはり思ったのです。
この曲は「弦の響き」が要ります。
水野さんが、音源や録音方法にこだわられた理由が分かるような気がしました。
- ヘンリック・シェリング指揮 イギリス室内管弦楽団 「調和の幻想」より PHILIPS 18PC-68
- Red Roses(紅い薔薇) Rhapsody 水野 朋子 DOUBLE MOON MUSIC
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