こうへいの音楽夜話 第33話

美しき五月のパリ −血湧かされ肉躍らされ−

(2004年12月7日)

こうへいが自宅で仕事をしているときは、時々パソコンに音楽CDを入れて聴いていました。
最近、パソコンのスピーカで聴くくらいなら、CDでなくとも圧縮したファイルで十分だということに気がつき、ハードディスクに落とすことにしました。
そうすると、CDの入れ替えが不要になるし、圧縮すると思ったほどディスク容量を食わないため、この際だから多少気にいっているCDはみんなHDに落としてしまえということになったのです。

このようにして思い出されたのが今回のタイトル曲、美しき五月のパリ。
いろんなCDをがさがさあさっている時に、見つけたのです。

ギター一本のアルペジオをバックに、ささやくようにフランス語で「美しき五月のパリ」と繰り返すところから始まります。
いつの間にか、アルペジオは、行進を思わせるギターのきざみに変わり、やがて管や打楽器が加わり、クレシェンドしていきます。
ちょうど、少人数で始まった行進が、徐々に増えていって、大行進になるように。
大行進は、「青空の彼方へ我らを連れゆけ」まで高揚した後、「美しき五月のパリ」でフェードアウトします。

ずいぶん久しぶりに聴いたのですが、血湧き肉躍る思いで何度も繰り返し聴いてしまいました。
ただ、この行進は、途中で「ほこりにまみれた古い銃をとり」という歌詞も出てくるとおり、血が流されることが明らかなものです。
そう、これは、反戦歌ではなく革命歌なのです。

過去の歴史の中で、幾たび、このような歌に鼓舞されながら血を流した人々があったのでしょうか。
もしかするといまこの時も。
こうへいは平和ぼけの日本に住んでいますし、結構な歳ですから、もう、このような行進の中で、血を湧かされ肉躍らされることはないでしょう。
ただ、こうへいのかわいい子供たちが、このような歌を歌いつつ行進するようなことがないように祈りたい。

こうへいがインストールしたソフトは、ハードディスクに落とした音楽について、グルーピングや演奏順が編集できるのですが、この曲をどこにおいたらいいのか迷ってしまっています。


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