こうへいの音楽夜話 第40話

カノン二長調−もし、もう一度弾くことができるなら−

(2005年10月9日)

このところ、POP系が続いたので、久々のクラシックです。

人と音楽の関わりというのは、面白いもので、妙なところで転機があり、その転機に音楽がからみます。
その一つがこのカノンニ長調です。

今は、大変有名な曲なのですが、初めて出会った時は、そうでもなかったようです。
未だに詳しくは知らないのですが、NHKの何かのラジオ番組のテーマ曲で使われ、ファンが増えたとそのころ聞きました。

で、この曲に初めて出会ったのは、オリジナルの演奏ではありません。
ここでもたびたび出てくる、マンドリンでの演奏だったのです。

学園紛争を高校で経験し、受験の数学と物理に興味が持てず、科学者になりたいという道をあきらめて文系に転じたにも関わらず浪人。
結局、翌年に法学部に合格したものの、先行きが考えられず、クラブ紹介で出会った本当のギターの音色に魅せられて衝動的に入部したマンドリンクラブ。
その最初の夏の合宿です。
練習はもちろんですが、そのうちの一晩、部内の演奏会をやります。
独奏や、重奏、各学年のアンサンブルなど、結構多彩です。
その演奏会で、先輩の3年の学年アンサンブルで取りあげられたのがこの曲だったのです。

1日の練習が終わった夜も結構遅い時間。
宿の廊下に出てみると、聴いたことのない曲が聞こえてきます。
ギターとベースの通奏低音の上に、限りなく優しく美しい、天使の音楽のような旋律が。

その日からです。
こうへいがそれまで以上に音楽にのめり込んだのは。
結局、大学在学中ろくに勉強しなくて、科学者にも、法律家にもなれませんでした。
そういう意味では、天使の音楽ではなく、悪魔のささやきだったのかも(笑)。

いまでも、こうへいの手元には、この曲の楽譜があります。
どこの店だか忘れましたが、ヤマハで買ったドイツ語のものです。
先輩が演奏したときは、日本では楽譜が手に入らず、ドイツの知り合いに頼んで手に入れたそうです。
ごくたまに、思い出したように、通奏低音やら、旋律やらを、ギターでなぞってみます。
最初に聴いたときから、こうへいが弾く通奏低音の上に、あの旋律をのせてほしいと思いつつ、実現できておりません。
これからも、まず望めないとは思いますが、もし、もう一度弾くことができるなら・・・・。

J.パッフェルベル
カノンニ長調

パイヤール バロック名旋律集 日本コロンビア OP-7028-RE (LP)
J.F.パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団


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